お菓子作りにハマると、一度は作ってみたいシュークリーム!
焼きたてのシュー皮に作りたてのカスタードクリームを詰めて食べると、本当に幸せな気分になります。
けれどシュークリームって、素人が作ると膨らまなかったりクリームにダマができたり、なかなかハードルが高いのも事実。

チャレンジしてみたけど膨らまずに失敗したっていう話もよく聞きます
実は私、昔からお菓子作りが大好きで製菓学校出身、ケーキ屋で働いていたこともあります。
そんな私が、今日はシュークリームの作り方を写真付きで徹底解説しちゃいます。
実はお菓子作りって全部科学の世界。
料理と違ってセンスや技術は必要ありません。



押さえるところを押さえていれば、みんな同じように出来上がるんです
ここだけ気をつけていればいい!ってことだけ守って作れば、絶対に失敗なんかしませんよ。
今からシュークリームにチャレンジしてみようと思っている人も、失敗したけどリベンジしたいっていう人も、ぜひ最後まで一通り読んでからスタートしてみてくださいね。
きっと美味しいシュークリームができあがって、私ってパティシエになれるかも!?なんて思っちゃうかもしれませんよ(笑)
絶対失敗しないシュークリームの材料
まずは材料から。
シュー生地
- バター(有塩or無塩)・・・50グラム
- 塩(無塩バターの場合)・・・ひとつまみ
- 水・・・50cc
- 牛乳・・・50cc
- 薄力粉・・・50グラム
- 卵(Mサイズ)・・・2個
カスタードクリーム
- 卵黄・・・2個分
- グラニュー糖・・・100グラム
- 薄力粉・・・30グラム
- 牛乳・・・300cc
- 生クリーム・・・100cc
- バニラエッセンス(あれば)・・・数滴
シュークリームはもちろん一度にたくさん作ることもできますが、失敗したくないのであればなるべく作りやすい量で最初はチャレンジすることをお勧めします。
作り方に慣れてコツがわかってくれば、倍の量で作ったりもできるようになります。
けれど最初から多い分量だと一度にオーブンに入らなかったり、火にかけて混ぜるのが大変だったりといいことはありません。
今回ご紹介する分量は、シュークリーム6個分の材料。
多すぎず少なすぎず、作るのにはちょうどいい量ですよ。
まずはコツをつかむ為にも一度この分量で作ってみてくださいね。
シュークリームのコツ シュー皮の作り方
シュークリームを作る時に、準備しておきたい道具はこちら。
準備するもの
- ふるい
- 直径15センチくらいの小鍋
- 絞り袋・絞り口
- 木べらもしくはシリコンへら
- オーブンシート
必ずシュークリームを作るときに用意が必要なのが、絞り袋と絞り口金。


絞り袋はビニール袋の角を切って利用してもいいのですが、ビニールだと薄すぎて絞っているときに破れてしまうことがあります。
なのでできれば絞り袋を用意したほうがいいです。



最近は100均でも使い捨ての絞り袋が売っていますよ
逆に使い捨てでない絞り袋は、頻繁に使わないのであればカビやすいのでお勧めしません。
洗って干しても、保管しているうちにカビてしまうこともよくあるんです。
口金はなくても平気ですが、あれば1センチほどの丸口が絞りやすいです。
ない場合は袋を1センチくらいのところで切って使うこともできます。
シュー生地作りに使用する鍋は、この分量の場合直径15センチくらいの小さめの鍋がちょうどいいです。
あまり大きい鍋過ぎると火が早く入りすぎてしまったり、小さすぎると混ぜにくかったりするので気をつけてくださいね。
あと必ず必要なのはクッキングシート。
天板に油を塗って代用もできますが、底が引っ付きやすいのでせっかくうまく焼けても底なしのシューになってしまいます。
なので必ずクッキングシートの用意は必須です。


クッキングペーパーは丸まってしまうので、天板にちょうどいいサイズで切り、水を天板の4隅に少しつけてきちんと平らになるようにしておきましょう。
丸まったままだと、シュー生地を絞るときに作業しにくくきれいな丸に絞れなくなってしまいます。
シュークリームのコツ2.シュー皮を失敗せず作る手順
材料と道具の準備ができたら、いよいよシュー生地作りスタートです。



1番失敗しやすいのはこのシュー生地なので、しっかりと手順を頭に入れてから作ってくださいね
必ず薄力粉はふるいでふるっておきましょう。
また卵はなるべく白身も切るように、しっかりといておいてください。


鍋に水、牛乳、バターを入れて火にかけます。
無塩バターを使う場合は、ここで一つまみの塩を入れてください。
バターは特に細かく切らなくても大丈夫です。


中火にかけて温まってきたら、一度火からおろしバターを全部溶かします。


バターをここでしっかり溶かしてから、再度火にかけます。
これをしておかないとバターが溶けていないのに沸騰してしまい、そのままバターが溶けるまでの間に蒸発して水分量が変わってしまったり、はたまたバターが溶けていないままだと温度が低すぎて小麦粉に熱が入らなくなってしまいます。
なので必ず一度温まった時点で火からおろしてバターを溶かしてから、再度火にかけて沸騰させるようにしてください。


沸騰したら火を止め、一ふるっておいた粉を加えて一気に混ぜます。


この写真のブレから混ぜる早さがわかるでしょうか?(笑)
とにかくここでは一気に粉を加えて一気に混ぜる!
粉をふるいながら入れようなんて思わないでください。
前もってふるっておいた粉を一気に入れるのが肝心です。
そして粉が見えなくなるまで混ぜ続けてくださいね。


粉が見えなくなったら、再度火をつけて熱を加えながら混ぜます。
この時火は中火くらい。
しっかりと粉にも火を通すために、焦げないようにしっかり混ぜ続けてください。
目安はこんな感じに底に薄い膜ができるくらい。


これ以上火にかけると底が茶色く色づいてしまうので、その寸前くらいで止めてくださいね。
ただこの膜ができる前に火から降ろしてしまうと、粉にしっかり熱が入っておらずに膨らまない原因になってしまいます。
なので焦げ始める寸前まできちんと火にかけるのがコツです。



ここまできたらもう一息
鍋を火からおろし、あらかじめといておいた卵を少しずつ加えて混ぜます。


一度に加えるのはこれくらい、大さじ1くらいでしょうか。
卵を加えたら、その都度しっかりと混ぜ、卵と生地をなじませてください。
なじんだらまた次の卵を入れて混ぜる、を繰り返します。
あまり一気に卵を入れると、こんな風に卵と生地が分離したようになってしまいます。


けれどそのまましっかり混ぜ続けると、きちんとなじむので焦らないで大丈夫ですよ。
生地がこれくらいの見た目になってきたら、卵を加えるのを一度ストップ。


木べらかゴムベラで生地をすくい上げて、その生地を鍋に落ちるように木べらを縦にしてみてください。
落ちたときの生地の様子で、生地の出来上がりを判断します。
理想はきれいな正三角形。
下の写真だと三角がきれいに伸びず、ちぎれてしまっている感じ。
まだ卵が少し少ないので、ちょっとだけ卵を加えて混ぜてから、もう一度三角を作ってみてください。


これが理想の形、木べらに対して下向きの正三角形になってますよね。
ここで卵を加えるのはストップ。シュー生地の出来上がりです。


今回は参考までに、ぎりぎりまで卵を増やして実験してみました。
上のちょうどいい三角の状態から、大さじ一杯弱卵を追加して再度三角をつくってみます。
するとこんな感じで、きれいな三角になる間もなく生地が垂れてしまいます。


これだと卵が少し多すぎです。



こうなる前の状態で止めるのが理想ですね。
これでも膨らまなくはないのですが、これ以上卵を入れてしまうと膨らまなくなってしまうので要注意です。
この卵の量が一番シュー生地の決め手になるので、生地の状態を見つつ少しずつ卵を追加しながら混ぜてくださいね。
ちなみに今回はMサイズの卵2つを使いましたが、少し卵があまりました。


この卵を全部入れていたら、シュー生地は膨みが悪い生地になっていたと思います。
卵の分量は目安なので、2個全部を使い切ろうとせずにきちんと生地の状態を見て判断してくださいね。
とにかくきれいな三角形を作ることを目指せば間違いないので、それだけ頭に入れておいてください。
生地が出来上がったら、全量をそのまま絞り袋に移し入れます。
絞り袋は半分から上を外側に折り返し、その中にCの形にした左手を入れると生地を入れやすいです。


生地を全部絞り袋に入れたら、天板に絞り出します。
クッキングシートに口金の先をつけたら、手は動かさずにそのまま生地を絞り出します。
ぐるぐると口金を動かして丸にするのではなく、絞り出した生地が勝手に丸くなっていくのでちょうどいい大きさでストップするだけです。


最終的な大きさは直径6~7センチの丸にするのですが、できるだけ6個を同じ大きさにするために最初は少し小さめの5センチくらいの丸にしてください。
もしくは最初からクッキングペーパーの裏側に目安になる丸を書いておいてもいいと思います。
少し生地を余らせて6個分絞り、残りの生地で6個の大きさが同じくらいになるように調整します。
全部の大きさが均等のほうが膨らみ方や焼き加減が揃うので、なるべく大きさはそろえてくださいね。
残り生地を均等に追加するためには、一度絞った丸の真ん中に再度口金の先をまっすぐさして大きくなるように絞り込みます。


これで6個同じ大きさに絞り終わりました。


仕上げは水をつけた指先で、表面を滑らかにならします。
ピョンとはねていたりしたら、その部分だけが焦げやすくなってしまいます。


こんな感じで表面を滑らかにできればOKです。


ここまできたらあとは焼くだけ。
190度に予熱していたオーブンにシュー生地を入れ20分、その後170度に下げて15分焼きます。


焼くときの注意はしっかりと温度が上がったオーブンに入れることと、絶対に途中でオーブンを開けないこと。
途中で温度を下げるときにもオーブンは開けず、そのまま温度だけ下げてタイマーも15分でスタートさせてくださいね。


オーブンの中を見ていると、だんだんとシューが膨らむ様子が見れて楽しいですよ。
そして最後のポイントは、170度で15分焼きあがった後もオーブンの蓋は10分は開けずに余熱でさらに乾燥させることです。
なのでタイマーが鳴ったからといってすぐにふたを開けず、そのまましばらくは放置してくださいね。
逆に冷めるくらいまでそのままでも問題ないですよ。
今回の出来上がりがこちら!


今回は失敗の見本のために卵をぎりぎりまで増やしたので、少しふくらみが悪くなりました^^;
きちんと三角形ができたところで止めていれば、もう少し膨らんだかなと思います。
それでもこの大きさ、全然OKですよね。
シュー皮の失敗しないコツ
シュー皮はシュークリームつくりの中で、一番ハードルが高いかもしれません。
この11のコツをきちんと守って作れば、必ず膨らむ上手なシュー生地が焼けますよ。
- オーブンは必ず予熱で温めておく
- きちんと粉はふるう
- バターが溶けてから沸騰させる
- 粉は一気に加えて一気に混ぜる
- 鍋底に薄い膜ができるまできちんと火を入れる
- 卵は少しずつ加える
- 木べらから垂らして三角になるタイミングを逃さない
- 絞る大きさは均等に
- 表面は水をつけた指でならす
- 絶対に途中でオーブンを開けない
- 焼きあがっても10分はオーブンから出さない
ぜひ試してみてくださいね。
カスタードクリームの作り方
続いてカスタードクリームの作り方です。
準備するもの
- ふるい
- ボウル
- 泡だて器
- 鍋
- ゴムベラ
シュー生地と同じように、必ず粉はふるっておいてくださいね。
小麦粉のダマが残ってしまうと、せっかくの美味しいカスタードクリームが台無しになってしまいます。
また材料にはグラニュー糖と書いてありますが、その他の上白糖や三温糖なんかでも大丈夫です。
鍋はシュー生地を作った15センチの鍋だと少し作りにくいので、できれば直径18センチくらいの鍋がお勧めです。
逆に大きすぎる鍋でも、熱が伝わる面積が広くて今度は火が一気に入ってしまいます。
手早く混ぜるのが大変なので、今回の量だと18~20センチくらいのお鍋がいいと思います。
カスタードクリームを失敗せず作る手順
まずは卵黄をボウルに割り入れて、砂糖を加えて混ぜます。
そのときにしっかりと空気が入るように白っぽくなるまで混ぜるのがポイント。
空気を含ませておくことで、この後沸騰した牛乳を加えたときに空気がクッションの役目になってくれて、卵に火が入ってしまうことを防げます。
卵黄と砂糖をただ混ぜ合わせただけだと、沸騰した牛乳を加えると卵が固まってしまってダマになってしまうんです。
なのでしっかりと空気を含ませておくことが必要です。
今回私は三温糖で作ったので少し色が茶色っぽいですが、混ぜていくとだんだん砂糖が溶けてトロトロになってくるので、しっかりと泡だて器で混ぜ合わせます。


その間に牛乳を小鍋で温め、沸騰寸前になったら先ほどの卵黄と砂糖のボウルに加えます。


これは一気に加えてしまわず、混ぜながら少しずつ加えてくださいね。
一気にドバっと入れてしまうと、たまごに部分的に火が入ってしまって固まってしまいます。
ボウルにすべて牛乳を入れて混ざったら、今度は鍋に戻して火にかけます。
火は中火くらい。あまり弱すぎると時間がかかりすぎ、強すぎると焦げやすいので火加減は気をつけてくださいね。


最初は表面一杯に泡がありますが、火を入れながら混ぜ続けているとだんだんと泡が消えてきます。


底の部分をこそげ取るように全体をまぜていると、だんだんとゴムベラに塊がつくようになってきます。
そして泡が完全に消えると、一気にとろみがついてくるのでここでは手を止めずに混ぜ続けること。


底に混ぜていない部分があるとその部分だけ焦げてしまいます。
ちょっとでも焦げると全体に焦げの味が移ってしまうので、混ぜるときは全体を均等に混ぜてくださいね。
下の写真のように、小文字のmを書いてそのまま鍋の周りを一周する感じを繰り返せば均等に混ぜれますよ。


カスタードの出来上がりの目安は、ゴムベラで底に一本線を引いてみて、引き終わるまで線が残っているのが目安です。


これくらいしっかり炊き上げることで、とっても濃厚で美味しいカスタードになりますよ。
炊き上がったら薄いバットやお皿に広げて冷まします。


今回はバットを他の料理に使用していたので、お皿に薄く広げました。
なるべく短時間で冷やしたいので、タッパーなどへ直接入れるよりも大き目の入れ物に入れて薄く広げてくださいね。
そしてそのままある程度冷めたら冷蔵庫へ。
私は15分ほどフリーザーへ入れてしまったりすることが多いです。
冷やしている間に生クリームを泡立てます。
軽く角が立つくらいに泡立てておいてください。


カスタードクリームが完全に冷えたら、再度ボウルに移します。


ブリンとした感じになっているはずなので、ゴムベラか泡だて器で滑らかになるまで混ぜてください。
ここでしっかりほぐしておかないと、カスタードのダマができてしまうので要注意。
滑らかになったら先ほど泡立てておいた生クリームと混ぜ合わせます。


最後にバニラエッセンスを2~3滴入れて混ぜれば完成。


バニラエッセンスの代わりにラム酒やキルシュなどの洋酒を入れると、大人の味のシュークリームになりますよ。
バニラエッセンスも洋酒もなければ、そのままでも十分美味しいので大丈夫です。
カスタードクリームの失敗しないコツ
カスタードクリームつくりを失敗しないためには、この7つのポイントを押さえておけばOKです。
- 粉は必ずふるう
- 砂糖と卵黄はしっかり混ぜて空気を含ませる
- 鍋で炊くときは焦げないように手早く全体を混ぜる
- 鍋底に線が書けるようになったら炊き上がり
- 炊き上がったら薄く広げてすぐに冷やす
- 生クリームは角が立つまで泡立てる
- 生クリームと合わせる前に、カスタードはなめらかになるようにほぐしておく
最近カスタードはレンジで作る人も多いみたいですが、やっぱり鍋でしっかり炊き上げた方が出来上がりは濃厚で美味しいです。
焦げないようにしっかり混ぜるのが大変ではありますが、この分量であればそこまで一気に火が入ることもないので、ダマができにくいですよ。
レンジでしか作ったことがないという人は、ぜひ一度鍋で炊くカスタードクリームを作ってみてくださいね。
シュークリームの仕上げ
あとはクリームをシューの中に絞りいれるだけです。
シュー皮は上3分の1くらいを横にカットして2つに分けます。
たっぷりクリームが入りそうですね。


もしくは底に箸などで穴を開けます。


中に絞り入れる時は、欲張りすぎると皮に穴が開いて出てきてしまうので注意してくださいね。


最後に上から粉砂糖をふったら完成です!!
とっても美味しそうにできました。


おまけにカスタードクリームの保管方法
シュークリームはやっぱり食べるときにクリームを絞るのが一番美味しいですよね。
なのでそのときに食べる分だけ絞ったら、残りのカスタードは絞らずに別々にして保存しましょう。
タッパーやジップロックにカスタードクリームを入れておくのもいいですが、それだと次に食べたいときにまた絞り袋に入れるところからで結構面倒です。
なので出来上がったカスタードクリームは全部絞り袋に入れてしまって、使う分だけ絞ったら残りはこのまま冷蔵庫で保管しましょう。
口の部分はこんな感じに止めておけば大丈夫。


そしてコップに逆さまに入れてそのまま冷蔵庫へ。
これで垂れたりこぼれたりすることも防げます。


この方法だと食べたいときにカスタードクリームがすぐに絞れるので、とっても楽チンですよ。
ぜひ試してみてくださいね。
シュークリームの作り方のコツ まとめ
今回は他のレシピ本にもないくらいに、細かくシュークリームの作り方をまとめてみました。



シュークリームを作るポイントは、すべてお伝えしましたよ
レシピによってシュークリームの分量はいろいろありますが、配合が違うとしても基本の作り方は一緒です。
お伝えしたコツを全部守ってもらえれば、絶対に失敗しないですよ。
今まで1度も成功したことがないという人も、これから初めてシュークリームにチャレンジするという人も、ぜひこのコツを頭に入れてから作ってみてくださいね。
みなさんが美味しいシュークリームを作れますように!!




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